正解を探すより、まず試してみる

正解を探すより、まず試してみる

業務改善のプロジェクトを進めていると、「この運用は、やっぱり残した方がいいですか?」と聞かれることがあります。実は、私はこの問いに対してあまり即答をしません。(たまにするかもだけど・・・)冷たく聞こえるかもしれませんが、本当のところは「分からないから」です。その運用が本当に必要かどうか、その答えはたいてい現場の中にしかありません。外から少し話を聞いただけで、「これは不要です」と言い切れるほど、業務というのは単純なものではないと考えています。

「たぶん大丈夫」を、実験に変える

もちろん、プロセスを紐解いていくなかで、「これはおそらく、なくしても業務は回るだろうな」とアタリがつくことはあります。さまざまな現場の仕組みを見ていると、ある程度の構造的な予測は立てられるようになるからです。だからこそ、「一回、これをやめて実験してみませんか?」と提案します。ここで大切にしているのは、「これが正解だから変える」という押し付けではなく、「一回試して、結果を確かめてみる」というフラットな感覚です。

やってみないと、本当に分からない

実際に運用を止めてみたり、変えてみたりすると、面白いくらいに結果が分かれます。

本当に何一つ困らないこともあれば、予想以上に現場が混乱することもあります。たとえば以前、社内の誰も明確な意味を説明できない「二重の確認作業」がありました。「これ、省いても問題ないよね」と満場一致で一回やめてみたのです。すると、それまで表に出てこなかった小さなミスが、ぽろぽろと後続の工程で見つかり始めました。その非効率に見えた確認作業は、誰も意識していないところで、実は致命的なミスを防ぐセーフティネットになっていたのです。

逆に、「これがないと絶対に業務が崩壊する」と言われていた月次の集計資料を、試しに一ヶ月ストップしてみたら、驚くほど誰も困らなかった、というケースも珍しくありません。こればかりは、実際に動かしてみるまで誰にも分からないのが現実です。

どちらかが答えを持っているわけではない

だから私は、自分の見立てが絶対に正しいとも思っていませんし、逆にお客様の「これは必須」という主張が100%正しいとも思っていません。どちらかが最初から正解を持っていて、それを当てにいくという話ではないのです。お互いの知恵を出し合って、まずは小さく試してみる。その結果を一緒に見て、それからもう一度考える。大がかりに変える必要はありません。小さく試して、不都合があれば元の運用に戻せばいいだけです。それくらいの気軽さや「引き返せる安心感」があるからこそ、現場の方々も身構えずに、変化に付き合ってくれるのだと思います。

業務改善は、地道な「答え合わせ」の繰り返し

結局のところ、業務改善の本質は、最初から一発で完璧な正解を当てることではないと考えています。

試して、結果を見て、軌道修正する。

その地道な答え合わせを、一緒に何度も繰り返していくプロセスそのものです。どこかにあるはずの派手な正解を探し続けるよりも、目の前の小さな「やってみる」を重ねていくほうが、結果的には現場に馴染む、本当に強い仕組みにたどり着けるのだと思います。

【業務プロセスの見直しや仕組みづくりにお悩みの方へ】

リベラメンテでは、机上の空論でシステムを当てはめるような提案はいたしません。実際の現場の状況を見ながら、小さく試して、検証し、御社の実務に本当にフィットする「取引の流れ」を一緒に作っていきます。「今のやり方を変えたいけれど、現場が混乱しないか不安」「どこから手をつければいいか分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。