業務改善のご相談を受けるなかで、「まずは業務フローを書いてください」と言われることがあります。
でも正直に言うと、私は業務フローを描くのがあまり得意ではありません。
もちろん、システム構成やプロセスの整理として描くことはできますし、必要な場面もあります。ただ、私が本当に知りたいのは、そうした綺麗な図ではありません。
その人が普段、現場でどんな風に手を動かし、どんな風に仕事をしているのか。そのリアルな空気感のほうです。
なぜなら、きれいな四角と矢印でまとめられた図にした瞬間に、そこからこぼれ落ちてしまう大切な情報が、あまりにも多いと感じるからです。
そのため、事前の打ち合わせでは、業務のプロセスをできるだけ細かくヒアリングするようにしています。
あまりにしつこく聞くので、相手が「そんな細かいことまで聞く?」という顔をされることもあります。
でも、実務のボトルネックや本当に改善すべきポイントというのは、たいていこうした「図には描かれない細かい隙間」に潜んでいます。
話を聞きながら、私は頭の中で勝手に、その担当者の方の動きをトレースしています。
そんなオフィスの風景を、頭の中で一つずつ組み立てていくのです。
客観的に見れば少し変わったアプローチかもしれませんが、こうして現場の一日を擬似的に追体験してみると、単なるマニュアルの説明だけでは決して気づけない「現場のリアル」が見えてきます。
そうやって想像を巡らせていると、ふと頭の中で引っかかる瞬間があります。
たとえば、ヒアリングの段階では「Excelのデータを見て金額を確定させています」と聞いていたとします。しかし、自分の頭の中でその作業を再現してみると、どうもパズルのピースが足りないような、一手間合わない感覚を覚えることがあります。
そこで改めて掘り下げて聞いてみると、「実は確定させる前に、いつも営業担当に電話を一本入れて、認識が合っているか確認していました」という事実が出てきたりします。
この「電話一本」というアクションは、一般的な業務フロー図には絶対に出てきません。
しかし、ミスが起きる原因も、作業に時間がかかる理由も、たいていはこうした図に載らない見えない場所にあります。
面白いもので、業務改善の本当のヒントは、この小さな違和感の中に隠れていることが多いものです。
きれいに整理されたフロー図を眺めているときではなく、「あれ、ここのつながり、何か変だぞ」と感じた、その引っかかりのほうに本質があります。
だからこそ、いきなり図を描いてスマートに整理しようとはしません。
まずは、そこで働く人の仕事を想像する。一日を、頭の中で丁寧になぞってみる。
業務改善というのは、ツールを入れる前の、そうした泥臭い想像力から始まるものだと考えています。
リベラメンテでは、表面的なマニュアルやフロー図の整理にとどまらず、実際の現場の動きを深く理解した上での業務改善を大切にしています。「システムを入れたけれど現場に馴染まない」「業務のどこに問題があるのか整理できない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。丁寧なヒアリングから、御社に最適な「取引の流れ」を一緒にデザインします。